待望の本拠地初勝利だ!! 西武は11日、日本ハム14回戦(西武ドーム)に9-4で勝利!2年目の菊池雄星投手(20)がプロ最長の6回0/3を投げ、10安打を浴び4点を失いながらも2勝目。本拠地初勝利をもぎとった。東日本大震災の発生からこの日で5カ月。東北が生んだ左腕は「いいニュースを届けたい」と郷里に約束。夏真っ盛りの8月、いよいよ本領発揮!
地鳴りのような大歓声を、お立ち台から聞いた。三回途中4失点で、悔し涙を流したデビュー戦から約2カ月。あのときと同じ本拠地・西武ドームで、雄星は笑っていた。
「本拠地のファンの方々が一番、喜んでくれたと思う。日本一の西武ファンの方々が、悪いときも見守ってきてくださって、今、ここに立っています」
西武・雄星2勝目!甲子園フォームで復活
6月17日に20歳になったばかりの雄星。「どんなベテランでも緊張するよ」(渡辺監督)という立ち上がりの一回、先頭から3者連続初球攻撃(中前打、犠打、右前打)を受け、たった3球で1点を失った。だが、雄星は崩れなかった。
「3失点が想定内。五回までを2、3点と考えていた」と動揺せずに腕を振り続けた。死球をも恐れない内角攻め。直球に2種類のスライダーにチェンジアップと球種は少ない分、ストライク先行で有利なカウントを作った。二回一死から金子誠から奪った空振り三振は、プロ最速148キロをマークした。
前回6月30日、オリックス戦でのプロ初勝利は「初対戦だから勝てた」と消化不良。理想のフォームを追求し続け、繰り返し自身のビデオを見直した結果、これまでのオーバースローから花巻東高時代のスリークオーター気味の投球に原点回帰した。横に角度のある球を投げることで、特に右打者への内角球は効果的に空振りを奪った。
強い思いも胸にあった。7月4日に高校時代のチームメートで、日本体育大学野球部2年だった、佐藤涼平さんが自ら命を絶った。突然の悲報に胸を痛め、雄星は同11日の岩手県宮古市内で行われたお別れ会に出席。「辛かった。自分は野球ができるのはありがたい。涼平の分まで頑張りたい」。亡き友に活躍を誓っていた。
この日は東日本大震災からちょうど5カ月。岩手県出身の菊池にとっても特別な日だ。
「5カ月たちましたけど、ここから少しずつでも、いいニュースを届けることができたらいい」
七回に連打を浴び4失点で降板したが、強気の投球が成長の証し。「次回に期待が持てる」。渡辺監督もローテ入りに含みを持たせ、31日に盛岡で行われる楽天戦に凱旋(がいせん)登板する可能性もある。甲子園を熱狂させた怪物左腕が、真夏に躍動した。
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